朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~


「ああ!いつヘソピ開けたの!」

知らない!
聞いてないよ?



「先月、真也が乳首に…」

「私も開けたい!」


へそにピアス。
蛇にピアスじゃないよ?


欲しい。

ちょっと綺麗な金属が、おへそに光るのは憧れだ。



「ピアス開けに行くなら、私も誘って欲しかっ……」

「乳首にか?」

「…ちく…………えぇ?」




……やだ怖い。それ痛そう。


思わず胸を押さえ、別に乳首に開けたい訳じゃ無いことに気が付くけれど、すでにもう痛む気がする。



「真也、ニードル貫通させる時、すげぇ痛そうだったぞ」


「乳首を…貫通…。哲が見ても痛そう、だった?」


眉根を寄せて、真面目に頷いた哲に、ますます痛い気がしてくる。

むしろズキズキして来た。





「あ…開けない」

「そうだな」



に、と笑った哲は、私のささやかな胸を馬鹿にしたように一瞥すると、再び私のバスルームへと、消えた。



乳首にニードル突き刺すなんて、真ちゃんはどんな神経してるんだろう。

哲が痛そうだと言うくらい強烈なものなら、ボディピアスなんか開けるもんか。


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