朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~


私は、そんな遼を見つめるしか出来なくて。

事実は事実として、目の前に。


遼の言った“子供が出来たら”という言葉は、重くて、鈍い。


私が、哲と居られるか居られないかの、もしかしたら要となる、可能性。

哲が居なくならなくても、私が居なくならなきゃならない、可能性。




「俺、絶対に哲くんには勝てやしない」


「……」


「…蜜がもし、妊娠していても…哲くん……俺が見るから…お前が父親になれると思うな…って…」



それきり、頭を抱えた遼を見つめたまま。

真っ白に、何も考えられなくなった私は、団長に肩を抱かれて、我に返った。



「愛されてますネ?」


「……だ…団長………、私、これでどうやってトランペット吹けばいいんですか…ッ!!」



遼、打ちのめされてるじゃないですか!!




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