甘いアイツのお気に入り



……あぁ、離れちゃった



名残惜しくて矢沢くんを見ると、微笑んでくれた



もうちょっとこうしてたかった、なんて口が裂けても言えないよ。恥ずかしすぎるもん



―――ってあたし何考えて…




「じゃあ行こうか」




笑顔で手を差し出されて、あたしは遠慮がちに握った




「……うん」




矢沢くんに出会って、2ヶ月


高校1年生、16歳の初夏



何か1つ起きそうな予感です






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