甘いアイツのお気に入り






―――こうなったらあたし、矢沢くんから逃げられない、みたい




よ、よーし!!




「…う、わ、わかったっ!」



覚悟を決めます、あたし!



「うん」




「………」




「ほら、莉子ちゃん」




それなのに、なかなか言えない。



それなのに矢沢くんは、そんなあたしを笑顔で待っていてくる



本当、意地悪なんだか優しいんだか。



「……しょ、翔早、くん…」




やって言えたあたしの頭に翔早くんの手が乗る



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