【完】俺が消えてしまう前に
「バーカ!できるわけないっしょ」
「・・・え!?」
「除霊って言ってもねぇ、簡単にできるわけじゃないの!準備とかどんなことにも必要でしょ!?除霊にだって準備ぐらい必要!」
「あ、はい」
やっぱり拍子抜け。
覚悟決めたのに、すぐに消える事はないのか。
「そうだねー。あたしもあたしで結構予約あるから・・・あんた特別だよ?三日後にここに来な」
「分かった。三日後だな」
「誰にも言わずにね。少しでも未練が少ない方がやりやすいし。・・・悪霊じゃない幽霊を除霊すんのは初めてだわー」
「・・・初めての試みで、霊媒師にとってもいい経験だろ」
「上から目線だねー。除霊してやんないよ?」
「ごめんごめん。じゃあ三日間この家に置いてくれよ」
「え?あたしはいいけど・・・」
「サンキュ」
「桃子には言ったの?」
「言った。反対された。絶対にさせないって」
「・・・あの子が幽霊に肩入れするなんて。これも初めてだねぇ」
「桃子が何言っても俺の意思は変わらない。聖子さんもそのつもりで、何があっても三日後除霊してくれ」
「はぁ。あんたの覚悟も相当だね。分かった分かった」
俺は聖子さんに頭を下げ、その場を去った。
桃子が起きて、学校に行く時間に鉢合わせしないよう外に出た。
「・・・あとは会わなきゃいいだけだ」
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