てのひらを、ぎゅっと。



………ここでアルバムは終わっていた。


合計8枚、8ページ。


俺の目にはいつの間にか、うっすらと涙が溜まっていた。


どのメッセージにも必ず、“こうちゃん”
という俺の名前が入ってて。


桜、花火、紅葉、雪。


写真の中で変わっていく風景は、俺と心優が一緒に過ごしてきた時間を物語るかのようで。


心優が隣にいた15年前を思い出して、心がとても苦しくなった。


俺は涙を必死で堪えながら、何気なくアルバムを最後までめくっていく。


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