ピンク☆ゴールド【短編】
☆2☆ コンビ解消!?
そして週末――…。



昨日は何となく眠れなくって、浅い眠りのまま、朝を迎えてしまった。

時刻は6時半。辺りは少しだけ明るくなっていた。


すると、朝一番で携帯の着信メロディーが鳴った。私の大好きな曲。

慌てて携帯を取る。画面には、知らない番号。携帯番号だろう。


「もしもし……?」

「あ、お嬢?オハヨー。俺だけど。」


……何処かで聞いたことのある声。


「ちょっと待って……錐生?」

「うん。ビックリした?」

「何で教えてもないのに、私の番号知ってるのよ…。」

「さぁ〜、何でだろうね?」


ククッと笑う声が、携帯越しから聞こえる。

しらばっくれやがって…。

まぁ今は、それどころではない。


「電話なんて、何の用よ?」

「んー?いや、用は特にないんだけどね。お嬢の声、聞きたくなった。」


かぁ…と頭のてっぺんから脚の先まで、赤くなっていくのが分かる。

朝っぱらから、そんな甘い台詞を言わないでほしい。


「…からかう為に電話してきたの?」

「そんな訳、無いでしょ。」


声を聞くだけで、錐生の真剣さが伝わってきてしまう。

さっきまで、ふざけてたくせに……ズルイんだ。


「まぁ、これからまた逢う訳だし。後でねー。」

「あ…うん。」


プツッと切れた電話。電子音が何だか名残惜しい。

ふと時計を見ると、いつの間にか7時になっていた。


…鏡で自分の姿を見た。

寝起きのわりに、結構まとまっている。


……ともかく準備しよう。


私は、この前買って貰ったワンピースに着替えて、身なりを整えた。





―――よし、完璧。

もう一度鏡を覗く。髪型OK、メイクOK、洋服OK……。


朝ご飯も食べたし、うん。



…何でこんなに張り切ってんだろう。

まぁいいや。錐生には色々と、借りがあるし。



今日は楽しんでもらおう。


そう思って家を出た。





< 10 / 34 >

この作品をシェア

pagetop