親愛なるシャボン玉

ソラ

花見客でごった返す上野公園を一人歩きながら、私の頭の中を巡っているのは、あの日の母親の言葉。
17歳になった今も忘れられない言葉。

サビシイコネ―。


花火にしても花にしても、見て綺麗だとは思う。
けれど、そのものが美しければ美しい程、悲しくなってしまう。
美しいもの程儚い。
それとも、儚いから美しいと感じる?



桜ごしに空を見上げてみる。
返事は……ない。
もう…届かない……。
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