狼系王子とナイショの社内恋愛


「確か23時頃だったよ。
一区切りついて何か食べるかって話になって、俺がコンビニに行って帰ってきたら寝てた」
「あ……なんかちょっと覚えてるかも」
「俺がコンビニに行ってくるって言った時ももう半分寝てる感じだったから予想はしてたけど」
「すみません……」

買い物に行かせておいて寝るなんて失礼すぎる。
そう思って謝ると、俺の方こそごめん、と謝り返される。

「手加減するって言ったけど、夢中になりすぎてすっかり忘れてた。
身体、大丈夫?」

申し訳なさそうに微笑む結城さんに、どういう反応をすればいいのか分からずに困ってしまう。

確かに結城さんの言うように、容赦なかったというか……その、激しかったというか、内容が濃かったというか。
そんな感じではあったけれど、それを責めたいわけでもなかったから、答えに困った。

だけど、黙ったままの私を誤解した結城さんが、怒ってる?なんて聞くから、仕方なく口を開く。


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