こっち向けよ





それでいいのか?



電気もつけず、暖房もついていないこの部屋に、風で窓が揺れる音と、どこかしこにも打ち付ける雨の音が響いている。



寒さで感覚もわからない体は、横たわったベッドの布団を少しずつ温めていく。



不思議と、寒くなくなった。



ずっと舞を俺のモノにしたいという気持ちがあって、護りたいという気持ちがあって、今まで生きてきたんだ。



俺はその想いだけで生きてきたんだから諦めてる場合じゃねぇ。



最初からそんな暇ねぇんだよ。



何やってんだよ、俺。



カチャ…



不意に部屋のドアがゆっくり開いた。





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