再生ゲーム
――放して!


目の前に浮かぶ黒い曜子は、やがて墨のように漆黒になり、灰へと変わった。


その灰の固まりは、重力に逆らえないとばかりに、私の全身へと一気に落ちてきた。


――何! 何なの! ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ! 目が見えない!


「……ごめん」


――え?


ジリリリリリリリ!!!!


ベットの横の目覚まし時計が、けたたましく音を立てる。喧しいベルが体の眠気を吹っ飛ばした。急いで腕を伸ばし、スイッチを殴った。


「もう朝か……凄く嫌な夢」


酷く汗を掻いた朝の目覚めだった。
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