手をつなごう


「椿さんっ!!」


突然、陽太に呼ばれてビクッとなる。


「泣いたらいいじゃないですか?椿さんらしくないですよ」


カァッと顔が熱くなる。


ダァン!!


拳を、カウンターに叩きつける。


椿の目から、大粒の涙が溢れる。


「私らしいって何よ!!分かった様な事、言わないでよ!!あんたに何が分かんのよ!!」


陽太に乱暴に言葉を吐き掛ける。


分かってる。

陽太に、文句を言うのは間違ってるって事くらい。

でも、止まらない。

自分の黒い部分が溢れ出す。




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