不良彼氏
不良彼氏
帰りのHRで行われた席替え。
あたしの隣になったのは、不良君。
ーーー最悪。
何でよりによって。
きっと口に出さなくても、あたしの顔に書いてあったはず。
「桜庭、よろしくー」
あたしは大きなため息をついて、荒木を無視した。
「…無視かよ、不良女」
でも今度呟いた荒木の言葉には、黙っていられなかった。
ーーー不良なんて、荒木に言われたくない。
「は?それこっちの台詞なんだけど」
「聞こえてちゃってた?」
睨むあたしに、荒木は何が面白いのか笑っていた。
「おいそこ、喧嘩すんなよー」
先生の声に、笑うクラスメイト。
あたしはさっきより大きなため息をついて机に肘をつき、荒木と逆の方をむいた。
ーーー本当、最悪。