七夕レイニー


─── …… ・ ・ ・



私はハッと目を覚ました。

学校のお気に入りの木の下で寝ていた私はすぐさま体を起こし走り出した。


「あ、いたミズキ! 今から集会始まるけど──」

「ねえ!」

 私はサエの言葉を遮って言った。


「うちの学校でサクって名前の子知ってる?」

 三人は顔を見合わせ、首を捻って、否定の意を示した。
やっぱり。
誰も彼をしらないこれは少し予想していたことだ。


「てゆか、その人誰なの?」

「ごめん、私帰る!」


 サエかユズかミホかも確認しないで私は学校を飛び出した。


「ちょっと! 集会今からだよ⁉」


 そんなこと構っていられなかった。私は走る。

 場所なら、この学校にいないのなら、あそこしかない。私にはそう確信があった。


 天気は快晴。

 夜まで時間はある。

 絶対に、見つけて、伝えよう──。


 そして私は、あの病院跡に向けて走り出した。



 ポツリと残った柘榴の木の下へ────。











END








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