恋愛のやり直し方
重たい沈黙のまま到着したのは、雰囲気のいいワインバーだった。



奥の個室に案内されると、真理子が笑顔で迎えてくれた。
ぎこちなく笑顔を返す私の様子に、勘付いた真理子は



「友田さん?綾に何かしました?」



と、前置きもなく詰め寄った。





「ま、真理子!何にもないよ」



先に答えたのは私だった。
そして、それに反応したのは竜君だった






「えー?なんで綾さんがセンセーの事庇っちゃったりするんですか?怪しすぎるでしょ」



「そ、そんなことないよ。だって、な、何もないんだから」




慌てて否定すれば否定するほど怪しまれるこの状況……
隣の友田は、私とは逆に楽しんでいるみたいに傍観を決め込んでいる。
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