恋愛のやり直し方
世間は夏休みの終盤に差し掛かっていた。



学生の頃は、残りわずかな夏休みに焦るように毎日毎日遊んで過ごしていた。





ベランダの外に広がる果てしない空には、真っ白な雲が浮かんでいる。





まさに『夏の空』






「今日も夕方降るのかなぁ」





もう3日連続で降り続けるゲリラ豪雨。
昨日は大丈夫だと思っていたのが間違いで、カーテンを3枚もびしょ濡れにしてしまった。



カラカラカラと窓を開けると、雨なんて降るわけがないとでも言うように快晴。







「ちわーっす!」



玄関から元気に入ってくる竜くん。


あの日、竜くんは3時間かけて原稿を読み、終わると大きなため息を吐いた。





「センセ凄いっす!」



キラキラと輝く瞳の竜君を見て、その手にしている原稿を読みたいと思った。
だけど、もちろん本になるまで私の目に触れていいものじゃない。



そんな私に気付いたのか、困った顔をした竜くん
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