不思議な“キツネ”ちゃん

キツネと「私」の現状


ベッドから重い体を起こし
クローゼットに足を運ぶ。

着ていた着物を雑に脱ぎ捨て
籠に入れる。

籠には一週間で着た着物が入ってる。
週末にクリーニングに出している。

クローゼットを開けて中から
マキシ丈ワンピを取り出す。

怪我に服がくっつかないように
肩紐タイプを選んだ。

怪我には包帯を巻いてはあるが
一応カーディガンを羽織る。

小さなバッグに財布やら携帯やらを
入れて手に持ち低めのサンダルを履く。

「これでいいか」

学校では制服か着物しか着ないため
違和感があるが、まあ大丈夫だろう。

最後にキツネの仮面を外す。

髪も横に流し、麦わら帽子をかぶる。

部屋にある全身見れる鏡で確認。


鏡に写るのは当然「私」。


完璧に、前に戻れた。


今日、羽咲帝は戻る。

ついでに会社にも寄ってこよう。


< 132 / 163 >

この作品をシェア

pagetop