淡恋の頃
淡恋の頃
雲一つと無い空。


澄みきった空を見上げました。


今日の風はどこか懐かしい。


少し早いけど君と過ごした夏を思い出しました。


初めて手を繋いで


初めて長電話をして


初めて寂しい気持ちを知り


初めてキスをした。


これが恋だと知った。


年上の君を追い掛けて背伸びした。


背伸びする事に疲れて膝を抱えて甘えた。


甘えた。


君の困った顔見ない振りした。


幼かったね、あの時。


ちゃんと寂しさと自分の弱さと向き合っていれば


神様はもう少し二人の時間与えてくれたかな。


君からのさよなら。


明日が来なければいい。


そう思う程に辛かった。


最初から最後まで君一色でした。


淡い夏の恋。


透き通った初恋。


涙も笑顔も何もかも嘘が無かった。


あたしの肩へ回したその腕は


今はきっと


君の最愛の人との間の宝物を


抱き上げているのでしょう。


陽の光に照らされて


君へと無邪気に笑うその瞳が


君を世界で一番幸せにしてくれるもの。


分かった様な事言ってごめんね。


でも


神様、君と君の大切な人達が幸せでありますように…
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