【完】もう一度、音を愛す。







「違うよ、愛音。
 愛音のせいじゃないから。

 好きな人のために、自分のために
 弾かないんだよ。」


(どうして好きな人のために
 やめちゃうの?)


「彼女はね、思いだしたくないことを
 思いだしてしまうんだ。
 そんな苦しむところを見たくないから。

 俺も必要以上に弾かない事で
 彼女と繋がっていたいんだ。

 音楽で採用も決まったし。
 完全に弾かないわけじゃないけど。」


(幸兄、その人はピアノが嫌いなの?)


「俺以上にピアノを彼女は愛してるよ。
 ・・・だから今すごく苦しんでるんだ。」






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