sound village
覚悟十分 ** side 神島/




「じゃあ、明日は、
現地集合ってことで。」

「おう。」

軽く手をあげて、柏木は
自宅方面の路線に向けて
歩きだす。

俺たちも、もう、ホテルへ
戻らなければならない。
最後の荷物を送る用意も
あるし。

「おい?斐川?行くぞ。」

「…今更だが。柏木は
ホテル住まいじゃないのか?
あの方言、確実に、地元は
ここではないだろう。」


ああ、あの完璧な
どこぞの地域の
イントネーションな。


「確かにこっちじゃないけど、
柏木は、大学生の弟と
一緒に住んでるらしいよ。」


「…弟…あんなのが
もう一人いるのか。」


やはり、そう思うか(笑)


「毎日が頭脳戦だろうな(笑)
案外、容姿そっくりで
性格だけ、超テンネン
だったりして。」


そう言うと、斐川が
眉間にシワを寄せる。

…想像しているのだろう。
ホント、真面目な奴(笑)

「気持ち悪い。まだ
性格が悪い方がいいな。
…しかし、そんな話、
何時していたんだ。」


「お前は、周りに興味を
持たなさ過ぎなんだよ。
そんなんでアメリカ行って
大丈夫かよ?今更だけど。」


呆れ半分で問えば。


「大丈夫だ。努力はした。
係長の友人にコツは教わった。」


等という。

…係長の友人…?

係長って、音村係長の事か?

コイツ…俺たちが知らない間に
関係を詰めたっていうのか?!










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