sound village
  


多分、あのオネイサンに
おちょくられているんやろな。
レンちゃん(笑)


…でも…


「何のお守りなん?」


そう尋ねれば


「疲労回復から恋愛まで
万能だってゆってた。」


徐に二人で包装を剥いて
口にキャンディを含む。


「真月さんは、これで
ビジュアル系の旦那様を
釣ったってゆってたけど(笑)」


“まあ、あの二人は、元々
両思いを放置していただけ
だから、効能があるとは
思えない”そういって、
レンちゃんは笑う。


包装紙のイチゴ模様を
シゲシゲと眺める。

ワサビをチューブのまま
吸いそうなあのオネイサンから、
このイチゴを渡されたら…
ギャップしかない。


「ギャップ萌えって奴か…」

思わずつぶやく。


「ギャップ?」

小さい顔やのに、結構な
サイズ感のキャンディを
口に入れるから、
頬がプ二ッと膨らんでいる。

思わず指で押したくなるけど…


万一、部長が来たら
マズイので
グッと我慢する。


「あのオネイサンには、ね。
レンちゃんには、
違う効能があるん違うかな。」


だって…俺からすれば
レンちゃんは、このイチゴが
十分似合う女の子やから。




  






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