sound village

置いてきぼり**sideレン

 



それは、二週間前の事


「月末、神島と斐川が
帰国する。」

久々にテルテルと、馴染みの居酒屋で
落ちあい、あの日、リヒトから聞いた
事の詳細の成れの果てを告げられた。


流し込んだビールに咽る。


うちの傾向からすれば
進退異動なんて、当人の意思確認が
取れ次第、即効で下る話だ。

別段、驚くような事ではない。


「そう…あんたの下に配属復帰で
間違いないよね?」


聞きたい事は数々あるけど…

私は、あの子達が
一番望むであろう事を
予測して問う。


「ああ。奴らが希望したんだ。
もちろん引受けたよ。

今期入社が3名いるからな。
あいつ等にとっては微妙な
立場になり得るだろうが…

当然、そんな事分かりきった
復帰だろ?

断る理由なんて無いじゃないか。」


「そうだね。」


…そうだな。

後輩と横並び…下手すれば
後輩より社歴で言えば下になる
可能性を、あの子達なら
考えないはずはないだろう。


そして


…何より、テルテルは
平等な人間だ。


いくら、あの子達を
気に入っていても
特別扱いはしない。


平等に指導し、
評価するであろう等
疑う余地はない。






 










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