sound village
  

俺の戸惑いなど、神島に届く訳も
なく、奴は言いたい事だけ
サクサク続ける。

『前からその噂があるのは、
俺も知ってたんだけど。
啓太が直接聞いたんだ。』

…おい…待ってくれ…

アタマが付いていかない。

『そうしたら…
2人共…有耶無耶に答えて
否定しなかった。

…もしかするかも
しれないぞ。

それだけ!!じゃあな。』

「おいぃぃっ!?!?」

『それだけ!!』じゃないやろ!?
全く理解できないんやけど!?

『ヨウイチロウ!?
開けるぞ!!どうした!?』

…思わず騒いでしまって
たまたま帰省していた
リヒトを起こしてしまった。

また面倒くさい男を起こした。

『夜中に騒いで申し訳ない。
神島から電話があって…
ちょっと驚いたから…』

下手に隠して洗い浚い
ゲロさせられる位なら、
差し支えない範囲を
自らぶちまける方がいい。

『ほぉ。シュンがねぇ…
で、何があったんだよ。
俺に言えない感じのこと?』

こんな時間にも関わらず
眠気が飛んだのか
リヒトはニヤニヤ笑む。

まずい…

『…アイツはここの時差を
理解している。
更に、お前達は所詮は
唯の元同僚。なのに、敢えて
連絡してくるとは♪』

眠気などスッカリ醒めた。
コイツをどうしようか…

『ほら♪お兄さんに
話してごらんよ(笑)』

愉しい玩具を見つけた様な
目をしやがって…

腹立つ!!



 





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