sound village


手に握られた筒は、
初日に柏木を成敗した
ポスターのケースで

あれから、柏木の教育的指導に
酷使されたそれは、
今では、程よい柔らかさと
なっている。

・・・それほど
アイツは、色々やらかしたと
いうことだ。


「係長。俺は、何の3号ですか?」


俺が、謎のまま済まそうとした
問いかけを斐川はする。

「何でもいいから、仕事中は、
やるべき事をちゃんとして、
サクサク定時で帰るんだよっ」


ーーーいまのは…
係長自身の希望だな(笑)

「余裕をぶちかましている
斐川君は、こっちを手伝って。
じゃあ、神島君、それ頼んだよ。」

「あっ、はい。」

慌ただしく斐川を引き連れ
係長は事務所をあとにする。


ーーー音村係長


係長にとっては、
俺たちは、同じに見えますか?

ただの部下で
同じ時期に全高大会を
経験している
同期の3人にーーー


俺は、

あなたにとって

特別な人間に

なりたいと


・・・思ってます。





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