sound village



部屋に戻ってすぐ
シャワーを済ませタオルで
髪を乾かす。


「…疲れた」

心理戦は苦手では無いのだが
あの男は桁外れに長けているから
腹の探り合いになると
疲労困憊になってしまう。

コンビニで買ってきた晩飯も
食べる気になれず
ベッドに、うつ伏せに倒れこむ。


・・・頭に…まだ感覚が
残っている。


まるで…母親の様な
温かみ

あの人は、俺たちの事など
弟か、ヘタすれば息子同然に
思ってるーーーー


それが、当然な感情だと思う。


俺達が、完全に
トチ狂っているーーーー


唇に触れながら
強く願う。


早く
冷めてしまえ



こんな、

セーブの出来ない
得体のしれない感情なんて……





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