0時のシンデレラ

凛音が礼音に連れてこられたのは
屋上であった。

「ど、としたの?急に…」

「…はぁー」

礼音は凛音の顔を見てため息をついた。

「…お前ってさ、
敦のことは名前で呼ぶくせに、
俺のことは“タカ”だよな」

「…?
敦は幼なじみだから、
名前で呼んじゃうんだけど…」

「わーってるよ。
ただ付き合う前は“アンタ”とかだったし。
やっと付き合えたと思ったら、
“タカ”だし」

「………」

礼音はキョトンとしている凛音に
顔を真っ赤にさせながら、言った。

「…俺のことも名前で呼べよ。
“礼音”って」

「……!!!」

ようやく理解した凛音も
顔が真っ赤になった。

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