封印戦慄映像
再生企画
 新宿のビルの一室。奥には大きな窓が一つ、右横には灰色のロッカー、左の大きなデスクにはパソコンや音声などの編集機器。


小さいワンルームの事務所。そこが私たちの会社、再生企画の場所だった。


私達は日々、視聴者から送られてきた心霊写真、映像、画像、音声などを編集し、レンタル専用の「お蔵入り! 呪いの映像シリーズ」を作り上げている。


巷の話題にはなるが、これといった大ヒット作品は無い。もう43本も作っているというのに……。


「今回の作品はどうします? やっぱり日本人は、4という数字には敏感なので、44本目は最強の物を作りたいですよね」


私、北嶋久実は好奇心一杯の笑みでスタッフに語った。


タレント志望だが、単純に幽霊に興味があり、ここの一員になった。レポーター担当である。
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