封印戦慄映像
「ち、違う! 私は本当に好きだったわ! 勝手なことを言わないで!」


「冬馬はブランド……それだけだろう? この地を汚した罪は重いぞ――久実、覚悟はいいな?」


「嫌よ! まだ死にたくない! ここから出して! きゃああああああああ!!!!」


良寛は首を切りつけようとしたが、その前に何かが飛び出し、喉もとにかぶり付いた。


そこから鮮血のしぶきが噴出し、良寛の顔が赤に染まった。声を発しようとしたが、粘膜のひだがやられ、思うようにはいかなかった。


あまりの痛さに、目線を落とし、そのモノの正体を確かめようとした。食いついていたのは、カメラに映っていたあの子供だった。


――グチャリ……グチュ――ゾウモツ……
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