封印戦慄映像
臓物
「ね、ねぇ……ゾウモツってどういう意味かしら――やっぱりここって、幽霊がいるんだね」


凍りつく全員の顔を溶かすように口を開いた。


「男の子の声だったよな? ……意味を考えるのは止そうぜ、今までだってそうじゃないか。

撮影をしていたら必然と意味が分かるかもしれないし――陸也、今回はどうやって撮影を進めていくんだ?」


ようやく仕事モードに入った冬馬は、はりつめた空気を出し、ピリついた。


「うーん。俺としては、まずどんな物が映るのかを見たいかな……一日様子を見て――そうだな、友人宅へ遊びに来たら的な設定はどうだ?」


「リアリティを追求ってわけね? でも誰の家ってことにするの? ……私は嫌よ。いずれ、華やかなグラビア界にデビューしたいんだし」
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