空色ラブレター


「北見は、ちゃんと沢城に愛されていたんだよ」



優しく微笑んだ美月部長のその言葉に、はじめて涙が溢れた。



優が亡くなったと聞いたとき、その事実を受け入れることが出来なかった。



そんな行き場のない私の想いは。


美月部長の一言で、救われたようなそんな気がした。




雑誌をギュッと握り締めて、



「優…。優…」と、うわごとのように肩を震わせ泣き叫んだ。




そんな私を、目に涙を溜めた陽奈がただただギュッと抱き締めてくれた。


< 37 / 108 >

この作品をシェア

pagetop