月と太陽
「…もしもし?」

わたしは電話に出た。

梨子から電話がかかってくるなんて珍しい。

しかも、悩んでいるこのタイミングでかけてくるなんて、タケルから何か聞いたのだと思った。

「あ、しずく?今、大丈夫?」

梨子の声は明るく、いつもと変わらぬ感じだ。

「うん、大丈夫だけど…」

「タケルから聞いたんだって?留学の話」

やはり、タケルから連絡が行ったのか。

もしくは、匡人から聞いた可能性もある。

「聞いたよ」

「しずくは、どうして欲しいと思ってる?素直な気持ち、言っていいよ」

梨子は、まるで小さい子どもに話し掛けるように優しい口調で言った。
< 253 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop