月と太陽
story,3
ママと喧嘩したあの日から、1週間が過ぎようとしていた。

あの日、わたしはそのまま眠りに落ちて、目が覚めた時には次の日の朝だった。

その時、すでにママとその彼氏の姿はなく、居間のテーブルの上に福沢諭吉が3人重なって置かれていた。

3人も置いて行くなんて、しばらく帰らないと言う意味だろう。

窓際に干してあった洗濯物が減っていて、ママの物ばかり消えているのが、確信を持たせた。

わたしは捨てられたのだ。

わたしは何のために存在しているのか、何のために生きていなきゃいけないのか、わからなくなった。

いや、元々わかってはいなかったが、その理由は改めて無くした気分だった。

わたしはしゃがみ込んで、声に出して泣いた。
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