spiral "eternal"
「…転送魔法…。」
春達が居た場所を見ながら、魔族はそう呟いた
さっきまで彼等が居た場所は、今はもう誰もいない
さっきの剣…転送魔法を発動させたのか…
それにしても、あれほどの広範囲を瞬時に、しかも武器を介して発動させるとは…
「相当の腕の持ち主、ですか…。」
姿を見せない剣の持ち主に向かって、魔族は面白そうに笑う
…彼らは取り逃がしてしまったがまぁいい
次に会ったときに始末すれば問題は無い
特に…『あの少年』の面影を見せる彼は…
魔族の脳裏に浮かぶ、『あの少年』とあの日の光景
今度こそ…貴様の存在を完膚なきまでに消し去ってみせましょう
魔族はそう決意して、姿を消したーー