とある王子(兄)が引きこもりの姫(妹)を愛する(復讐する)話
兄視点「お兄さんたちを味方にしよう」
・王子視点
今日、胡桃が学校に行ったらしい。祐樹が強引に連れて行ったとか。俺の部屋のソファに座り、嬉しそうに学校であった出来事を話している祐樹を見て思わずフ、と笑みがこぼれた。
「よかったな。」
「...王子が、笑った...。」
「笑ったらいけないのかよ。」
「いや、めずらしーって思って!」
「そんなことないだろ。」
「いつもニヤァって笑うじゃん。フッて感じじゃないし。」
「いつもそんな変態みたいな笑い方はしない。...で、話しに戻るけど、今日学校に行ったとしても明日からどうなるかわからない。」
「まあ、そうだけど。でもクラスの皆すっげーふれんどりーな感じだったし大丈夫だと思うけどな。」
「期待を裏切るのが胡桃だ。」
「まあね。でも、明日に期待してるしかなくね?」
「ああ、そうだな。」
納得すれば、祐樹は不満げな顔で俺を見た。「なんだよ。」と問えば「兄ちゃんらしくない」と言う。
「俺に何を期待してるんだよ。」
「別に期待はしてないよ。ただ、他に考えないのかなって思って。」
「一応、手は打ってあるけど。」
「やっぱりー!?」
一気にテンションがあがった祐樹に静かにしろといえば簡単に大人しくなった。けれど詳細が知りたいらしく、目をキラキラさせてこちらを見ている。
めんどくさい。
「知りたいの?」
「しりたーい。」
「でも、俺とお前じゃ、胡桃に対しての感情は違うから、きっとお前は俺のやり方に納得しないと思う。」
「大丈夫だって。とりあえず聞かせてよ。」
「誰にも言わないと約束できるならな。」
「もっちろん。」