『あなたが大好きです』
「それは……楽しみだねぇ」


まさか……光司君がこんな人だったなんて……


菜月…あんた騙されてるよ……


「じゃあ、良夜またねー♪」


すると光司君は屋上から出ていった


「誰かそこに居んだろ?出てこいよ…」


あぁ、バレてたんだ


あたしは素直に出た


「お前は……確か菜月の親友?」

「そうよ。良夜君……はめられたんだね」

「見事にな」


ははっと力なく笑う良夜君


「あたしも……協力するよ」

「え?」

「もうあんな菜月…見てらんない」

「どういう事だ?」

「菜月…良夜君と別れてから、口数も少なくなったし、ちゃんとご飯食べなくなったの……あの調子だとちゃんと寝てるかも分かんないし」

「本当なのか?」

「うん。もう脱け殻みたいなの」

「っ」


苦しそうに顔を歪める良夜君……


菜月…


あんた勘違いしてるよ


こんなにも


良夜君に愛されてるじゃない


早く……目を覚まして…!


「良夜君」

「?」

「菜月まだちゃんと良夜君の事大好きだから…だから……頑張って…」


あたしがそう言うと


「当たり前。必ず菜月を取り戻してみせる…だから…安心しろ」


そう笑った


菜月…


あんた相当な幸せ物だよ…


早く……


また心から笑ってよ…



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