きみだけが好き。



「花帆、そうなの…?」


 隣で紫月がビックリした感じで言う。


「…うん。 昨日そのこと話したの…」


「山岡ひな子、ごめん! わたしてっきり……」


「うん、知ってる。 声大きかったから。 でも、もういいの。 森田さんになら負けてもいいかなって思ってるから」


「…へっ…」


「じゃーね」





 『森田さんになら負けてもいいかなって思ってるから』


 山岡さん…本当はつらいよね。


 …ありがとう。 そう言ってくれてるのに、何もしないわけいかない。


「花帆、いい子だね。 ごめんね、なんか」


 紫月が謝る。


「ううん、謝らないで!  紫月……私」


「ん?」






「文化祭の日に、八代くんに告白する」




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