きみだけが好き。




「じょ、常習っていうかぁ……なんかいつも遅れちゃう…っていう…」


 
 遅刻しよう!  …なんて思ってないし、常習っていうのは違うって思ってるけど…。



「ははっ 森田、それが常習だろ? 


 …ま、許すけどな? ってか……」



 歩きながら、八代くんは私をチラッと見た。



 ん? なんか、ヘンだったかな…??


 今日は最近買ったデイジー柄のワンピを着て、上にコートを羽織って…ショートブーツを合わせたんだけど……



 八代くん好みではなかった…!?





「…初めて私服みた。 めっちゃかわいーな」



「ほぇっ!?」



「ほぇって…っ っとに……」

 

 そんな、かわいいなんて…。


 確かに私が私服を着て八代くんと会うのは…初めてなんだ。


 夏祭りの時は浴衣だったもんね。



 …あれっ



 八代くんは、なぜかそっぽを向いている。 

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