きみだけが好き。

恋するキモチ。




 今日は、待ちに待った夏祭り。


 紫月と未琴ちゃんと集合する時間まで、あと2時間もある。


 だけど、これから髪をセットしたり浴衣を着なくちゃいけないから、ちょうどいい時間になる………はず。



「お母さーーんっ 浴衣出してくれた~~?」


「出したわよ~。 花帆、髪の毛やってあげよっか」


「あっお母さん。 うん、お願い」


 いつのまにかお母さんが部屋に入ってきたみたい。


「美容師の見せどころよね」


 そう。


 お母さんは、美容師さん。


 だから、こういうイベントの時はほとんどがお母さんがセットしてくれる。


「今日は仕事休みなの?」


 いつも早く家を出るのに、今日は朝起きた時居たし……。


「そうなの。 ちょうど良かったね、お母さん居て」


「うん、ありがとう」


 ホント助かった。


 一人じゃどうしようか迷うしね。


「終わったときの楽しみで、目閉じてて」


「うん、わかった」


 私は目を閉じた。

















 
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