きみだけが好き。



「あのー……八代くん」


「ん」


 返事はしても、こっちを見てくれない。


 私がずっと見てたから、気を悪くしちゃったとか!?


 どど、どうしようっ。


「ごめんねっ」


「…? なんで?」


 あれ? もう普通?? 


「あ、や……なんでもない、です」


 勝手に謝っといて、これはないよね、私。


 八代くんにとって、私の印象悪いかも……。


 恥ずかしくなって下を向く。


「なんでもないのに謝んの?」


 わわっ。 やっぱりおかしいよね!?


「えっと……その…」


 どう言えば!?


「ハハッ。 わりー、からかった」


「……え」


 顔を上げると、八代くんはおもしろいモノを見るかのように笑ってる。





 
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