Summer memories
あたし達は学校の階段を上る。



「いてーよ。頭少し膨らんでるよ。
これ、たんこぶだよな。」


大輔は言った。


「わー。確かに頭膨らんでる。」


坊主だから余計目立っている。


恭介はゲラゲラ笑っている。


「恭介!そんな笑うなよ!!」


「いやっ、だって、へへっひっひっ」


と、そのとき

踊場まであと、一段のところで、


「うわあっ!」


恭介が転がり落ちた。


「「恭介っ!!」」


恭介は転がり落ちた後、目を閉じた。



あたしと大輔は恭介の下へ駆け寄った。



「恭介っ!!大丈夫っ!?」


「恭介死ぬなーーー!!」

大輔は恭介の顔をパチパチと叩いた。

あたしもつられて、叩いた。


「フッ。ふははははっ。」


恭介は笑った。


「生き返ったぞ!!」


「恭介ぇっ!生き返ったのね!」


「生き返ったぞーーー。」


恭介は起き上がった。


「「「ぷっあはははっ!」」」


三人で笑った。


「生き返ったも何も俺死んでねーしっ!」


「でも、よくこうやって死んだふりごっこしたよな!」



「あーしたしたっ!懐かしーっ!」




「…………ずっと、」


大輔は遠くを見る目で言った。


「ん?」


恭介は聞こえてないようだった。



すると、教室から


「お前ら!さっさと上がれっていったろーが!」


青島が出てきた。


< 15 / 55 >

この作品をシェア

pagetop