しんぞう
ひとりごと
「めどくさい、なぁ…?」
 液晶画面と向かい合う、ひとりの少女がいた。
 ぶつぶつとなにかを呟きながら、キーボードを叩いている。
 背格好からして、義務教育最後の機関に入って、期待に胸を膨らませる年頃だろうか。
 ただ、少女は今日が平日というのに、家から出ずにパソコンの画面を見つめていた。
「こんな感じでいいか、な?」
 画面の中で、人々は天に祈っていた。
 人々の回りに広がる一面の田んぼは、水もなく干上がっていた。
「うん…これにしよ、う、?」
 少女が勢いよく、エンターキーを叩いた。それと同時に、画面の中の人々が歓喜を上げた。
 いつの間にか、雨が降っている。
 雨が降って、人々はずぶ濡れになりながらも、天に感謝している。
 少女は、得意気に微笑んでいる。
「天の恵みをありがとうごぜぇます、雨神様!!」
「え、そういう名前な、の??」
 少女は、少し残念そうな顔をして、まぁいっ、か?と静かんに微笑んだ。
「それが“わたし”の仕事だ、し?」
 寂しそうに、微笑んだ。
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