めろめろ、きゅん



「臭いぐらい我慢しろ!食べねえならこれはどうするんだよ!」

「姶良が食べれば良いんだよお。ね?萌ちゃん。」

「うん。萌は食べたくない。」

「右に同じく。」



煮えたぎる鍋を見て拒否する。


姶良が大きな鍋を棒で掻き混ぜる姿は、おとぎ話にでも出てきそうな魔女そのもの。


頑なに拒否する萌ちゃん等を見た姶良は今一度、鍋を見る。そして眉を顰めた。先程まで茶色だった筈の中身が、いつの間にか紫色に変貌していたからだ。
< 13 / 84 >

この作品をシェア

pagetop