アフターレイン
「可哀想になぁ」



切なそうな声色でタマが呟く。

思えばあだ名も猫っぽいし、親近感を覚えていたりするんだろうか。



改めてその子猫をよく見てみた。



毛色は、明るい茶色。

雨に濡れそぼっているせいで判別しづらいが、恐らくトラ柄だ。

目は青く、まん丸い。

生まれ付きなのか後天的なのかは知らないが、しっぽの先は千切られたようにバサバサとしていた。



濡れた毛皮が肌に貼り付いているから、小さな体が更に小さく見える。



「どうする?」

「連れて帰る」



そう言ったのは、俺。

見て見ぬ振りとか出来る訳ないだろ。



「そっか。お前見かけによらず優しいよな」

「ほっとけ」

「……俺には厳しいのね」
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