「約束」涙の君を【完】
3学期が始まった。
祥太は、朝迎えに来ることをやめた。
帰りも、あおいや杏と遊ぶようになぜか勧めてきて、
なるべく会わないようにしている感じがした。
席替えもして、席が離れ、
祥太といられる時間が、本当に少なくなった。
我慢の限界がきたのは、私の方だった。
こんな調子で2月になり、
私は、先に帰ろうとした祥太の腕を掴んだ。
「ねぇ……ちょっと話そう」
祥太は一度下を向くと、
「わかった」と、自分の席に戻った。
周りの生徒が帰るのを待って、
私は祥太の前の席に座った。
「どうして?
どうして私を避けるの?」
祥太は首を振った。
「避けているんじゃないよ」
「避けてるじゃない。
もう……
嫌い?
私のこと……嫌いになったの?」
祥太は思いっきり首を振った。
「好きだよ。
優衣のことは、好きなんだ。
好きだから……
だから……」
だから……?
「優衣には、強くなってほしい」