受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
☆覚醒の契り・ヴァンパイアへの道
 「ママ〜、どこ〜? ママ〜、ママ〜」

それでも俺はまだ……
又あの夢を繰り返していた。




 「ママー、どこー? ねえー、ママー? ママーどこー?」


白い……
どこまでも果てしなく続く白い世界の中で俺はもがいていた。


母がいないんだ……

さっき帰ってきたはずの母がいないんだ。


どこにもいないんだ。


また……
独りぼっちにされちゃった。


寂しい……
気が狂いそうなくらい寂しい。


「ママーー!! ねぇ、ママーー!! ママーーどこー!?」

がっくりと膝を付き……
俺は崩れ落ちる。


寂しさに……
苦しさに耐えきれなくなって、俺はとうとう爆発していた。


でも……
こには誰もいない……


誰も助けになんか来てもくれない。


俺の泣き声だけが渦巻いている。


この白い世界の中で……




 宇都宮まことが癒してくれたはずの孤独……
俺はまだそれを引き摺っていた。


目を覚ますと、心配そうな妻がベッドの横で覗き込んでいる。

俺はそんな妻の身体を引き寄せキスをする。

宇都宮まこと……

いや若林まこと。

この愛しい妻に俺の一生を捧げる。


この先何が俺達を待っているのか解らない。

でもどんなことがあっても、俺は必ず妻を守り抜く。

俺を信じて……

俺に勇気をくれる……

愛しい妻を……


俺は一生、眞樹に付け狙われる。

妻も同様だ。

教団のことを知りすぎた二人を抹殺する位きっと容易いだろう。

でも俺は逃げない。

全力でオカルト教団と戦う 。


それがそれぞれの平和に繋ががると信じているから。

俺はまだ……

オカルト教団は存続していると思っている。

だから……


俺は今日も自分の全てをさらけ出して、愛する妻の絵を描き続ける。

でもその絵は母の絵になる……

妻はそれに気付きながら、二人の母よりも大きな愛で俺を包んでくれている。

そう、まるで……

聖母マリアのように……




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