受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
 「どうしてあの子が喬と一緒に墜ちたのか知らないけど、坊ちゃまが関係しているのだとしたら……」


「眞樹が関係しているのだとしたら?」

俺の質問に母は一瞬戸惑ったようだった。


俺のせいで一緒に堕ちた宇都宮まこと。

俺はただただ誤りたかったんだ。
でもそれに至る原因が眞樹にあるのだとしたら……


一緒に逃げたくて……
二人で自由になりたくて……
強引に屋上から飛び降りた俺。
眞樹の携帯でゲームをしたのは俺だ。
宇都宮まことを相手に選んだのも俺だ。


俺自分のやらかした罪を棚上げにして、誰かに責任を転嫁させたかっただけなのかも知れない。




 「あの子は教団の若い科学者によって、実験材料にされていたの。佐伯真実さんにも告げずに、秘密裏に。だから……あの子には、色々な薬が使われているらしいの」


「薬!? いくらオカルト教団だとしても、それはないよ。ねえ母さん、それってどんな薬なの?」


「それが判らないの。だけど……あの子は実験されているらしいことだけは確かなのよ」


「嘘だ!?」

俺は、驚愕の声と共に宇都宮まことを見て更に驚嘆した。


宇都宮まことが母の後ろに……

ベッドから起き上がっていたからだった。




 「お母さん……」
宇都宮まことは……
そう言った。


(お母さん!?)

俺はその言葉に驚いた。


(母さんは……俺だけの母さんでは無かった……)




 『お母さん……』
宇都宮まことは……
確かにそう言った。


(そうか……母さんは、俺だけの母さんでは無かったのか。だから……俺は何時も一人ぼっちだったのか?)




 『ママ〜、どこ〜?』


『ママ〜? ママ〜?』


白い……
果てしなく続く白い世界の中で俺はもがいていた。


母が居ないんだ……

さっき帰ってきたはずの母が居ないんだ。


何処にも居ないんだ。


又……
一人ぼっちにされちゃった……


寂しい……
気が狂いそうな位寂しい。


目を閉じると……
又……あの夢……


俺の孤独の原因は……
此処にあった……





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