CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
吉岡と、どうなったっとか言っていたくせに、そんなに驚く事?

電話の相手が篤人だって自分で言ったくせに、桜井蒼紫の驚く姿を目の当たりにして、私は意味が分からなかった

だから私は掴まれた腕を振り払い、彼を無視して歩き出したのだった


【俺がお前に惚れてるって言ったよな?
 お前は振られたって言ったよな?
 それなのに、吉岡と付き合ってるのか?】

【はぁあ?
 今、私に惚れてるとか言った?
 ってか、それって何の冗談?
 私をからかってるつもりだろうけど、そんな手に引っか‥【冗談なんかで俺が言う訳ねぇ~だろう?
 ったく、冗談だと思われてるとはな‥‥
 まぁ~良いや
 時間はある事だし、俺の事を惚れさせてやるよ!!】


何を言ってるの?

私の言葉を遮った桜井の言葉に、私は大きく目を開いて驚いてしまった

俺の事を惚れさせるとか言ったよね?

どっから、そんな自信があるのか分からないけど、私は驚いたものの思わず笑い声を上げてしまった

確かに、桜井蒼紫は容姿端麗って言葉が相応しいくらい整った顔立ちをしている

身長も高いし、多くの女性が魅了されるような男だとは思う

でも、私が彼を好きになる事なんて100%ない

だって、暴君な彼に惹かれる要素はないんだもん


【俺の本気を分かってねぇ~だろう?
 今は俺を好きじゃなくても、何れお前は俺に惚れるよ
 俺が本気でお前を口説くからなっ!!
 それに吉岡と会う時間より、お前が俺と過ごす時間が多いって言うのも神が与えたチャンスだと思わないか?】

【神が与えたチャンス?
 そう言う事を言ってる事すら嫌いなんだけど‥‥
 ってか、私は絶対に桜井蒼紫なんか好きにならないし、篤人と会えなくても私の気持ちは変わらないから!!】


乗り込んだエレベーターの中、自信あり気に言い放つ桜井蒼紫に向かって呆れたように言い放つ私は、変な男に捕まってしまったって気持ちが大きかった

こんな男に好かれようとは思わない

惚れてるなんて言ってるけど、絶対に信じられない

からかって、遊んでるだけだ

本気なんて分かりたくもない

左の人差し指に光るリング

早く最上階に着かないかって思いながら、右手でリングを触りながらエレベーターの扉の上にある階数を示す数字を見ていると、桜井はTiffanyかっと呟いた声が聞こえた


【吉岡からのプレゼントか?
 なぁ~
 お前さぁ~
 分かってんのか?】

【何が?】


私は思わず気の抜けた返事を返した

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