猫又四郎の奇怪幻想見聞録
【猫又 四郎の見聞】
「ところ変わって、あなたはこの作品をどう思いましたか?
引きこもりは、自分の世界に込もってこそいれど、それでも時には人と関わる。それすら、殺したくなる衝動に駈られて。
僕としては、『所詮、人は最下層の生き物なのだ』という文に注目していただきたいですね。
人間は考える生き物。それくらいしか能がない。運動出来る人なんていますが、それすら世界を見れば、ちっぽけな能力。
人間という生き物は、至極ちっぽけな存在なんですよ」
そう言ってコーヒーを口に流し込む猫又くん。その動作すら美しく見える。
「ああそうだ、また、面白い本を見つけたら紹介しますね。それと、この場所は僕とあなただけの秘密です」
「えっ! う、うんっ」
猫又くんとの秘密場所。
そこが、私の人生を変えるほど妖しく、そして世界に関わる場所だということを、私はまだ知らない。
このことについては、また今度……