日々是淡々と‥
『私も、雄介さんと結婚して
なかったら今頃きっと‥。』

 亜由美の思いは典子には
痛いほどわかるのだった。

 「ねぇ、典子ぉ。ほら、
もう一軒つきあってよ。
まだ十時半でしょ?
終電まではもう少し時間
あるでしょ?」

「うん、もちろん。
大丈夫だよ。」

 典子は亜由美と二人で、
有楽町の駅に向かう途中で
見つけた小さなバーに入った。

「ごめんねぇ、つきあわせ
ちゃって。」

「とんでもないよ。今日は
ユカちゃんが先に酔っ払っ
ちゃったから、ちょっと
私達は飲み足りなかった
ものね。」

「ありがと‥。」
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