日々是淡々と‥
「でも、そんなことで
あの子を見ているのだと
したら‥結局私もかなり
傲慢だってことなのかも‥
ふっ。」

 苦笑いをしながら、
由香里は遠くの景色に
目をやった。

 秋が深まり、空気が冷たく
なってきたせいか夜景も
夏より鮮やかに感じる。

 「あぁ、寒い。入ろう。」

さすがに寒くて部屋の中に
入った由香里は、すぐに
ベッドに戻る気になれなかった
のでリビングのソファーに
腰掛けた。

 そして、また沙耶の事を
考えていた。

 『一体なぜ‥?彼女は
あんなに自分に『自信』
があるのだろうか‥。
何があの子をあんな風に
あつかましくさせている
のだろうか‥。

若さのせい?世間知らず
だから?ただそれだけ?』

 由香里にはどうしても
理解できないのである。

 もちろん、『自信』を
持っていけないはずがない。

『ただ、せめてもう少し
物事に対して『畏敬の念』
や『畏怖』を持ってもいい
のではないだろうか‥』

由香里はそう思えて
ならないのだった。

何も考えがまとまらないまま、
結局眠らずに朝を迎えて
しまった。

 夜が白々と明けてきた。

 由香里はお風呂を沸かして
ゆっくりと入ってから、
いつもより二時間も早く
会社に向かった。

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